山 行 報 告
2012/7/15   三浦半島・鷹取山         メンバ:酒井、根来  記録:根来 


張力調整機構を介して主索道端末を固定 主索道固定後、自己脱出の要領で、残りのロープを使いテラスに登り返す 必要に応じて支点を補強する(画像はマリーナノット) ガルーダヒッチを使い主索道に張力を加える 主索道にフリクションノットでバックアップを取る
ムンターヒッチで確保用ロープに制動を加えながら、主索道の末端まで降ろす 負傷者(ロープ束で代用)を末端まで降ろす 自分の下降用として主索道に2本、確保用ロープにバックアップとして1本フリクションノットを取る


 2人パーティで1人が負傷して動けなくなり、直下に降ろせない場合を想定して、一人でチロリアンブチッジをセットし、登り返して負傷者を降ろし、自分も下降して装備を回収するという訓練です。練習も少なくまだ完成度は高くないが、手順を下記に掲載します。


【2人パーティのチロリアンブリッジ手順】

1.負傷者をテラス(確保支点)に固定し、ロープを解く。併せて自分のロー
  プも解く。   

2.解いたロープ2本で、負傷者を移送用のロープ(以下、「主索道」)を固
  定する位置まで、懸垂下降で下りる。   

3.主索道の末端を、張力調整機構を介して、木や岩等の支点に固定す
  る。   

4.残りのロープ(後ほど、負傷者の確保用ロープに使用)を使い、負傷者
  を固定したテラスまで、自己脱出の要領で登り返す。   

5.必要に応じて、確保支点を補強する。(マリーナノットは長さ調整が簡
  単)   

6.ガルーダヒッチ等を用いて、主索道に張力を加えると共に仮固定する。   

7.張力を加えた主索道に、フリクションノット等でバックアップを取る。   

8.登り返しに使用したロープの末端を、環付カラビナを介して負傷者のハ
  ーネスに連結する。この確保用ロープをムンターヒッチにしてから仮固
  定し、フリクションノット等でバックアップを取る。   

9.負傷者のデージーチェーンを介して、プーリーや環付カラビナを主索道
  に通す。負傷者がチェストハーネスを付けていない場合は、テープスリ
  ングで簡易ハーネスを作る。  

10.負傷者の足側を下方にして、主索道に体重が乗る位置まで移動させ
   る。  

11.ムンターヒッチの仮固定を解除し、確保用ロープに制動を掛けながら
   負傷者を下ろす。  

12.負傷者が主索道の末端に到達したら、確保用ロープを確保支点に固
   定する。  

13.長短2本のフリクションノットを作り、自分のハーネスと主索道とをつな
   げる。バックアップとして、3つ目のフリクションノットで確保用ロープに
   もつなげる。  

14.2本のフリクションノットを交互に緩めながら、主索道を伝わって下降
   する。  

15.末端に着いたら負傷者を支点に固定し、主索道の固定などを全て解
   除する。  

16.解除したロープを使い、「4」と同様にテラスまで登り返す。  

17.テラスの確保支点を回収し、懸垂下降の支点に作り替える。  

18.負傷者の処まで懸垂下降し、2本のロープを回収する。

(今回は便宜的に、負傷者の確保用と登り返し用のロープには3本目のロープを使用)